Henry Rollins on Big Think

年寄りの言うことには耳を傾ける価値がある。経験してきた人の話を共有することも同様。Big Thinkはこの情報過多の時代に、価値のある情報、未来を作るために必要な意見や洞察を発信するサイト。もう少しカテゴリーを広げたTEDとでも呼べばいいだろうか。

 そのBig Thinkにヘンリーロリンズのセッションが掲載されているのだが、非常にストイックすぎたので勝手に紹介。

ヘンリー・ロリンズは、初期アメリカンハードコアの最重要バンドであるBlackFlagの4代目ボーカルとして知られている。個人的には前3人のボーカルより良くはないのだが、人気が絶頂へと向かう時期の彼の存在感はまさにフロントマンとして最大の貢献者と言える。

 


幼少時に鬱、ハイスクールに入るころには離婚した親の愛情欠如を埋めるべく衝動を暴力的なステージングにぶつけていたロリンズは、ミュージシャンや俳優としての活動を続けながらスポークンワードやコメンテーターとしてその見解を皆に伝えるようになっていった。

今やロリンズも50歳を超え、音楽ではない分野で後世に影響を与えるような地位を獲得している事は、同じ音楽をルーツとする自分としても喜ばしい。
ネットの世界で重宝がられる(?)シリアルアントレプレナー社会起業家とは明らかに辿ってきた道が違う彼の仕事観や言葉をありがたがる人間がどれくらいいるかはわからない。けどこれを単に自分が読むだけではなく、どうにか役立てたいと思う日本人は俺だけだと思う。
bigthinkのやろうとしていること、そしてロリンズが後世に彼の得たものを残そうとしていること、その試みに微力ながら貢献したいと思うので、いくつかを日本に向けて紹介したい。


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アーティストもしくは起業家として成功するための3つのルール
http://bigthink.com/videos/henry-rollins-3-rules-for-success-as-an-artistentrepreneur#onboard

私は多くの人に「どうやってそんなに多くのことをうまく回しているのか」と聞かれる。たくさんのパイ生地を棒の先で伸ばしているように。確かに私は自分の人生をうまくやりくりし多くのことを排除している。家族だったりストレスを感じない言動だったり突発的な睡眠だったり(※意味不明)。その代り全てのことは自分でやらないといけないけど。
「よっしゃやるぞ!」と自分に言わしめる動機の元になるものは、自分が元気で、自分が何なのかをよく理解していること、自分の道をただ突き進むことで、ずっとそうやってきた自分のやり方以外になにかがあるわけではない。
私は一人で暮らしているし、ツアーでない場合は一人で旅行に行くし、14年同じアシスタントと働いている。彼女は怖いね。
で、自分は何人くらい人を知っているだろうか?アシスタントがいて、子供のころからの最高の友達がいて、マネージャーがいて、ラジオ局のエンジニア、そして故郷にいる幼馴染。彼らの子供とも遊ぶ。私は彼ら陽気な若きアナーキスト、そしてヴィガンにとってのロリンズおじさんだ。それくらいだ。
そうでなければ自分は長い道を行く。ツアーバスに100日乗って、100日バックパッカーをやって。誰かを恋しく思うだろうか?ないね。絶対にない。かっこつけてるわけじゃないんだ。そういう興味がない。通りで女性に目が行くか?勿論。私は50歳だけどまだ死んでない。誰かと結婚して落ち着くだろうか?ないね。多分ない。なぜなら仕事があるからだ。仕事を片付けなきゃいけない。俺は仕事中毒なんだよ。


俺の仕事の原体験は、毎日ステージに立つ男だったこと。シンプルな人生だ。なぜって毎日ショーをやってたから。ショーは簡単なことじゃない。けど君たちはツアーをブッキングできる。今は2011年だ。私は2012年のツアーを2011年の頭に始めている。いくつかの会場は2011年の終わりだったけど。17か月も前から始めるから、次の年の前半6か月までは予定がわかるわけだ。チケットが発売され、契約書が交わされる。自分が行かなかったら大問題が起こる。訴えられるのは気にしてないけど、チケットを買ってくれた人を裏切るのが嫌だね。
私が問いかけに応じる相手、私は自分の観客に答えている。弁護士には出てけと言えるが観客には無理だ。だから君たちは自分の人生において役人のように非情にならなければならない。これがお前の人生の予定表、これをもって次の土曜日のショーの場所まで行って
くる。後手に回る前に片付けたい。そうやって自分は人生の中の一年間を描ける。
2012年はよほどのラジカルなことがない限り既に決まっている。おそらくギグを続けているはずだけど、予想外のことが起きた時は、それの流れに任せるだけだ。


こういう風に自分の仕事をブッキングすることで自分の一年が決まっていく。
2013年も同じになる。実際に昨日、2013年にやることを洗い出したし、自分がやりたい2つのことに興味を持ってくれている優れた会社とドキュメンタリーを制作する準備にも入っている。
2012年にそれに着手する時間があるかわからないが2013年にはおそらくできるだろう。だから私は2013年についてはストーリーを描き始めている。自分がそれを組み立て、それに従ってあそこで働きここで働きはたまたあそこで働く、そしてあそこへ移動して、様々なトラブルを収めなが。7月には8/9月がどうなるか明らかになっている。丁度蔦から蔦へ渡り移っているような感じだ。たまには蔦がうまくやってこないこともあるが、その時は仕事はなしだ。何かしら起こるしそうやって30年間やってきた。いくつかのことは固まってる、いくつかはのことはサイコロを振って成り行きに任せる。

短い休息の時間は、自分はただ座ってじっとしている。昔からのマネージャーが「じっとしていろ、仕事は向こうからやってくる」と言っていたけど私は信じなかった。
なぜなら私はいつも自分から何かをしていた。例えばブッキングをしたりということ。それができるしそれをするのが好きだったから。私のマネージャーが、6か月ほど自分でブッキングするのをやめて、テレビに出ることや俳優業、講演なんかをやって、エージェントが代わりにやってくれるのを待とうと言った。すごく心配だったが、私は了承した。少しも信じていなかったが、その間に映画やテレビの仕事が舞い込んだ。Verizonの留守電の声優の仕事、Infinityの車の応答音声も私だ。漫画からナショナルジオグラフィックまであらゆる場所で私の声を聴くことができる。多くの仕事にyesと言った。仕事は私の前に現れた。

だから私は仕事を、勝手に向こうからやってくるものと、マニキュアをするように自分で下ごしらえする必要のあるものと二つやっている。私の目標は週7で働くことだ。オフはその仕事の合間合間だ。ここで読み取れることがある。
ショーの責任が目の前にちらつかなかったおかげで君はクリエイティブな執筆を成し遂げる。ツアーの合間のオフの時間、自分の場合一か月の間に中26,27日はショーをしているけども、休みの日は洗濯して寿司を食べて執筆。自分の脳が何を見ているのか任せることで、ショーまでの4時間に考えずに書くことができる。そうやって私は私は心のバランスの取り方を学んできた。

私は働くマシーンだ。金のために働いているわけじゃない。それは自分の達成欲やエキサイティングなものを求める心、そしてリスクのためだ。自分のような男は同じ場所にとどまっているべきではない。ずっと同じでいるなんて自分には無理だ。どういう風に動くべきか教わったこともない。だからどこにも留まっていてはダメなんだ。
ドアが開いていればパッドをつけて準備するだけさ。

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3つのルールと言いながらどれがそのルールなのかわからないけど、
酒もタバコもやらないストレートエッジを貫き、友達と無駄に時間をつぶすこともないロリンズの仕事に対するこの向き合い方。
自分の可能性を制限することなく、自分の誇りのためそして、リスクという名の恐れのためにやるべきことをなすってことは自分も真似したい。